随感随筆 2019年9月12日

畑起こし

 何年振りかで畑を耕した。いつも草ぼうぼうでご先祖様に申し訳ないと思っていた。ちなみに我が家は先祖代々農家である。JAの組合員でもある。しかし、農家の長男であるにもかかわらず農業は何もできない。

  若い頃、父に言われたことがある。お前は農業をやらなくてもいいと。その言葉を額面通りに受け止め今日に至っている。少しは覚えておけばよかったと後悔している。

  今も田畑は少々残っているが、自宅の敷地内にある畑は父が生前ナスやキュウリ、トマトなどを作っていた。そこそこの広さがある。ここ数年は全く野放しになっていたのである。ちっぽけな耕運機がある。雑草対策も兼ねて耕してみた。土は硬かった。猛暑も去り、夕方はさほど汗もかかずに済んだ。掘り起こされた「土」は柔らかく、生まれ変わったよう。

  不思議なものである。「土」をいじると何かしたくなってくる。今からでも植えることができるのは何だろう。 新しい日常が生まれそうな予感がしてきた。乞うご期待。