未来を創る、秋田のポテンシャル!

 気候変動や頻発する自然災害、コロナ禍による経済活動の制限など、日常生活を取り巻く環境はこの数年で大きく変容してきました。加えて、秋田県の人口は2022年10月1日現在で93万人を割り込み、1年間で約1万5千人減少し、少子高齢化に歯止めがかからない状況が続いています。

 人口減少は避けては通れない道ですが、決して悲観することなく、生かせる資源(ポテンシャル)を最大限に引き出し、次世代につながる秋田を創造することが肝要と考えています。

 地熱や洋上風力をはじめとした再生可能エネルギ―、二酸化炭素を吸収する豊富な森林資源、全国2位の食料自給率(2018年度カロリーベース)、全国トップレベルの教育環境や世界遺産(白神山地、縄文遺跡)、ユネスコ無形文化遺産、重要無形民俗文化財(17件は日本一)など、未来の発展につながる多様なシーズ(種)を皆さんと育み秋田の成長につなげてまいります。

 また一方で、世界の人口は右肩上がりで増え続け2030年に85億人、2050年には97億人に増える見込みといわれています(『世界人口推計2022年版』)。

 その人口の増加をクルーズ船の寄港促進や定期チャーター便の増便によるインバウンド(訪日観光客)拡大に結び付けるとともに、外旭川地区まちづくり構想の早期実現で相乗効果の最大化を図り、更なる雇用の創出や若者の定着に結び付け、経済人口(交流人口)のパイを拡大していきたいと思っています。

 「増え続ける世界の人口を呼び込み、減り続ける秋田の人口に歯止めをかける」

これが秋田のポテンシャルを引き出し、秋田の未来を創ることにつながると信じています。元気な秋田の中小企業、民間の活力(投資)をその原動力として持続可能な社会の実現を目指していきます。

秋田の礎、秋田の農業

 秋田県の農業産出額は1,898億円(うちコメ1,078億円)で、残念ながら東北最下位です(令和2年)。

 しかし、コメに関しては紛れもなく東北のトップです。園芸作物や畜産等の振興で、コメ偏重からの脱却はもちろん大切ですが、秋田のコメがどこにも引けを取らない「強み」であることは言うまでもありません。

そして、この強みを様々な分野で生かしていくことが肝要だと常々思っています。

 秋田県立大学で開発されたダイエット米や米粉を活用したグルテンフリー食品、県内初となる無菌包装米飯(パックライス)の専門工場の稼働など、「コメ」の多様性や加工品に新たな需要創出と将来性を見出し、耕作放棄地の発生防止にもつなげていくことが必要です。もちろん、園芸作物等の拡充も図りながら、担い手の育成を通じて農業全体の底上げを図ることが重要です。 今後ますます農地集約とAIやドローンを活用したスマート農業が普及していきます。秋田の原風景を次の世代につなぐとともに、秋田の礎、秋田の農業が若者にとっても魅力ある、希望を持てる姿になることを目指していきます。